Eugénieプロジェクト

どんな時でも、私たちは美しい夢を見ることができる
20世紀を生きたウジェニというお針子の悲哀に満ちた人生の物語

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人形劇  (6歳以上、所要時間30分)

制作: 井上麻由美 / ジョン=マリ・ローヴェレック

Filiko Théâtre (フィリコ・テアトル) 主催  

 

▪︎ストーリー
フランス・ナントのとある家に、髪の毛や資料が入った箱が残されていました。資料によると、その髪の持ち主はウジェニという1895年生まれのお針子の女性です。彼女は生前に2回の戦争を経験し、さらに、夫と子供の死、貧しさや病が彼女を襲います。しかし、どんなに絶望的な状況でも、彼女は生きていく決意をします。彼女の心を癒してくれたのは、思い出の物を通して時々行くことの出来る美しい夢の世界。どんな困難な状況にあっても、私たちは全てを忘れて、平和で美しい世界に浸ることができるのです。

▪︎出会い・きっかけ

2020年フランス・ナントで、織の技術を用いた作品を作る造形作家・井上麻由美が、俳優・監督のジョン=マリ・ ローヴェレッと出会いました。この出会いが、ジョン=マリの家に昔住んでいた、とあるお針子・ウジェニを目覚めさせます。彼女は金属製の箱の中に、古い書類や行政文書、そして髪の毛の束を残していました。箱を開けた麻由美とジョン=マリの前に、20世紀を生き抜いた女性が姿を現したのです。文書を読み込み、推測し、まるで探偵のように小さな手がかりの糸を結びながら、彼女の人生をたぐり寄せます。ウジェニは1900年には5歳、14年には19歳、39年には44歳......そして、彼女の姿を追い求めたふたりは、当時の彼女の心情に想いを馳せ、その人生に強く共感するようになったのです。そして今、ウジェニは散り積もった埃を振り払い、息を吹き返しました。これが、ウジェニプロジェクト(仮称)の始まりです。努力と勇気に満ちたウジェニの人生を描いた人形劇です。

▪︎ 物語の背景

ウジェニは苦悩した女性。ウジェニは見捨てたれた母親。ウジェニは私たちがその手をとり、その視線を思い描かなければ、ただただ歴史に消えた、光の当たることのない女性でした。私たちは人形劇を通して、家族の死に向き合い続けるという、絶え間ない努力を続けるウジェニの姿を目撃するのです。

今日、私たちは、死が身近にある感覚や死に関する習慣を失い、死について語ることも無くなっています。そこには恐怖や迷信への反射的行動があります。まるで、死について語ることは、それを誘発する危険を冒すことであるかのように。同様に、子供たちはしばしば死との対面から免れます。その結果、いざ死に出くわしてしまった時には、抑えきれないほどの苦悩に直面することになります。この物語は「人は死ぬと、その魂が物体の中に入り込み、いつまでもそこに宿り続ける」というフランス・ブルターニュの伝説から着想を得ています。もし誰かが、魂によって色付いたその新しい姿に気づくことができたら、それは、彼らを解き放ち、彼らに再び命を与えるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▪︎井上麻由美の作品

彼女は、記憶と時間が素材を通し、その存在を証明しようとすることに興味を持っています。 彼女はウジェニの資料や髪の毛を使った作品を作ることにしました。彼女にとって、この作品をウジェニが住んでいた家で制作することによって、より深くウジェニの世界に入り込もうとしたのです。彼女は行政文書や子どもの写真、髪の毛などを組み合わせた3つの織り作品を制作しました。

プロフィール
▪︎ 井上麻由美
井上麻由美は織りの技術を用いて作品制作をする日本人アーティスト。現在は、日本の文化庁新進海外芸術家派遣制度にてフランスに在住し、活動している。髪の毛、譜面、本、書類など、彼女が使う素材には物語が詰まっている。それらを丹念に織り込んで、蘇らせることで、記憶に触発された新しい物語を生み出している。彼女は飽くなき探究心をもって、記憶に疑問を投げかけ、模様を織り成していく。2018年からは、がん治療を受けた人から提供された髪を織った作品を発表。彼女の作品から滲み出る繊細さ緊張感は、生きる意志の象徴である。彼女は運命の織物の永続を試みる。

▪︎ジョン=マリ・ローヴェレッ ( Jean-Marie Lorvellec)

俳優、監督、作家、トレーナーとして活躍するジョン=マリ・ローヴェレッは、1990年代にナントのStudio Théâtre du CRDCで学ぶ。1997年からはフェスティバル「ラ・フォル・ジュルネ」に参加し、この国際的なフェスティバルの生みの親であるルネ・マルタン氏と定期的に朗読、録音、演奏などのコラボレーションを行う。ジョン=マリは、複数の高校で演劇講師を務め、実践的な演習している。また、工場跡地や庭園での芸術的なイベントを開催。様々な劇団での俳優活動と並行して、自身の会社Filiko Théâtre (フィリコ・テアトル) では、独自の演劇プロジェクトを主催している。

▪︎お問い合わせ
井上麻由美/ メール: umirun_run@yahoo.co.jp

ジョン=マリ・ローヴェレッ / Filiko Théâtre / メール: filikotheatre@gmail.com